Service02成年後見について
成年後見制度について
日本は今、世界一平均寿命が長い国として知られています。日本の社会の在り方も変化していくにつれて、ご高齢の方をとりまく環境も変わってきました。
高齢者の方のご家族は将来、親族の方が「認知症により介護が必要になるかもしれない」
「親が自宅で生活するのが困難になってきているので、施設への入所が必要になるかもしれない」といった不安をお持ちかもしれません。
また、「認知症のご高齢者が、悪徳商法などの被害に遭った」などの報道も増えております。
たとえば、ご本人が老人ホームへの入所が必要になった場合、「ご本人」と「老人ホーム」との間で「入所の契約」を結ばなければなりません。しかし、ご本人の判断能力が低下してしまっている場合、ご本人は入所契約の内容(月々の施設の利用料やどのような介護サービスがあるのかなど)を理解することができません。
つまり、ご本人にとって生活の空間が変わってしまうという重要な「入所契約」をご自身で契約を結ぶことが困難になってしまいます。
こういった場合に、「成年後見制度」を利用することによって、家庭裁判所から選任された支援する方が、ご本人にとってこの老人ホームが最適な施設かなどを適切に判断したうえで、ご本人に代わって「老人ホーム」との間で入所の契約を結ぶことができ、「成年後見人」として今後、ご本人の財産管理、身上監護をしていくことができます。
このように、「成年後見制度」はこのような認知症の方をはじめ、知的障害の方、精神障害の方など精神上の障害により判断能力が十分でない方が不利益を被らないようにするために、「家庭裁判所に申立」をして、「ご本人を支援する人を選んでもらう制度」です。
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ご本人を支援する適切な候補者がいる場合(今までご本人の介護をされていたご本人の子や孫など)
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その方が成年後見人になるための
「家庭裁判所への申立書類の作成」 -
ご本人を支援する適切な候補者がいない場合(専門職による成年後見人を希望する場合)
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当事務所の司法書士が成年後見人として、今後ご本人を支援していくための
「家庭裁判所への申立書の作成」
+
「今後のご本人に対する後見業務」
また、「成年後見制度」は精神上の障害により判断能力が十分でない方の支援していくことを目標としつつも、「ご本人の自己決定権を尊重し、残存能力を活用すること」を理念としています。よって、ご本人に対して家庭裁判所から支援する人が選任された後も、ご本人はスーパーで、お肉、お魚、洋服などの日用品の購入(日常生活での「売買契約」)などの行為は自由にすることができます。
メリットとデメリット
「成年後見制度」を利用することによって、ご本人を支援していくことが可能になりますが、その一方で成年後見制度を利用することによって、「ご本人が受けてしまう制限」があります。
- メリット
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- ご本人の財産管理や身上監護をすることによってご本人が不利益を受けないように支援することができる
- 後見の内容が法務局で登記されるので支援する人(後見人・保佐人・補助人)の地位が公的に証明される
- 支援する人はご本人が行った不利益になる契約などを取り消すことができる
- ご本人が受ける制限(デメリット)
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- 会社の役員や医師・社会福祉士などの一定の資格の業務を行うことができない
成年後見の種類
成年後見には「法定後見」と「任意後見」があります。
「法定後見」は、ご本人の判断能力が衰えた後に、家庭裁判所がご本人を支援する人を選びます。それに対し、「任意後見」は、ご本人の判断能力が衰えてしまう前に、つまり、お元気なうちに将来自分が支援してもらう人を選んでおくものです。
法定後見 | 任意後見 | |
---|---|---|
制度の利用するのは | ご本人の判断能力が不十分になったとき | ご本人の判断能力があるとき |
利用できる方は |
|
|
支援する人は | 「家庭裁判所」が選任します ※但し、後見人候補者を選んでおくことができます |
ご本人が選んでおきます |
支援方法 | 成年後見人は「代理」、保佐人・補助人は原則「同意」 | 「代理」という形で支援 |
後見人等を監督するのは | 「家庭裁判所」が後見人等を監督します。場合によっては裁判所は「監督人」を選任します。 | 「任意後見監督人」が後見人を監督します |
法定後見 | |
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制度の利用するのは | ご本人の判断能力が不十分になったとき |
利用できる方は |
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支援する人は | 「家庭裁判所」が選任します ※但し、後見人候補者を選んでおくことができます |
支援方法 | 成年後見人は「代理」、保佐人・補助人は原則「同意」 |
後見人等を監督するのは | 「家庭裁判所」が後見人等を監督します。場合によっては裁判所は「監督人」を選任します。 |
任意後見 | |
---|---|
制度の利用するのは | ご本人の判断能力があるとき |
利用できる方は |
|
支援する人は | ご本人が選んでおきます |
支援方法 | 「代理」という形で支援 |
後見人等を監督するのは | 「任意後見監督人」が後見人を監督します |
必要書類
申立にあたって「申立人」「ご本人」「候補者」についてのさまざまな資料が必要になります。当事務所では、必要書類の収集のサポートや作成を代行しております。裁判所によって提出する書類が異なる場合もありますので、詳しくは一度、当事務所にお問い合わせください。
「申立人」についての必要書類
- 必要書類
- 内容
- 取得役場
- 戸籍謄本
- 全部事項証明書が必要になります(ご本人と同じ戸籍であれば不要)
- 本籍地の役場
「ご本人」についての必要書類
- 必要書類
- 内容
- 取得役場
- 戸籍謄本
- 全部事項証明書が必要になります
- 本籍地の役場
- 住民票
- 本籍地記載入りのもの
- 住所地の役場
- 登記されていないことの証明書
- 既に後見制度を利用していないかの確認のために必要
- 法務局
- 診断書
- 主治医の診断書
- 鑑定についてのおたずね
- 鑑定をしてもらえるか診断書作成の際に医師の方にお尋ねください
- ご本人が所有されている財産についての資料
-
- 【不動産】不動産登記簿謄本
- 【預貯金・株等】通帳・証書・残高証明書など
- 【生命保険】保険証券など
- 【負債】金銭消費貸借契約書など
- 【収入】年金額改定通知書・振込通知書など
- 【不動産収入】確定申告書・収支内訳書控えなど
- 【給与収入】給与明細書など
- 【支出】医療費・施設利用料・介護保険料・固定資産税の納税通知書など
- 【健康状態の資料】介護保険証など要介護認定が分かるもの
「候補者」についての必要書類
- 必要書類
- 内容
- 取得役場
- 住民票
- 本籍地記載入りのもの
- 住所地の役場
当事務所で作成する書類
お預かりした資料聞き取りをもとに、申し立てに必要な書類を作成いたします。- 申立書
- ご本人に関する照会書
- 親族関係図
- 財産目録及び収支予定表
- 後見人候補者に関する照会書
- 陳述書
- 同意書
手続きの流れ
- 01お問い合わせ
- 電話・メールなど、ご希望の方法でお気軽にお問い合わせください。
当事務所・出張での詳しいご相談をご希望の場合は、希望日時も併せてご連絡ください。 - 02無料相談
- 当事務所又は出張にて詳しい内容を伺い、今後の手続の流れを提案させていただきます。
- 03必要書類の収集
- 申立書と付属書類作成に必要な書類を揃えていただきます。戸籍謄本などの必要書類については、ご依頼いただいた場合、当事務所でも取得可能です。
- 04申立書・付属書類の作成
- 具体的な内容を確認のうえ、家庭裁判所への申立書を作成いたします。
- 05申立書類の署名押印
- 作成した資料への署名・押印(認印でも可)
- 06裁判所への申立
- ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。
- 07鑑定費用の納付
- 原則、必要ですが、ご本人の状態により、鑑定が不要になる場合もあります。鑑定が行われる場合、鑑定費用約10万円が必要になります。なお、裁判所が鑑定人を指定しますが、鑑定人については申立人側から推薦することができます。
- 08裁判所による聴取
- 申立書に記載されている内容を「申立人」「候補者」「ご本人」から確認します。ご本人が裁判所へ出向くのが困難な場合、後日、裁判所から担当者が出向きます。
- 09関係者の調査
- 即日聴取された方は不要になります。関係者に対する面接や意向調査を行います。場合によっては、省略されることがあります。
- 10ご本人の判断能力についての鑑定
- 裁判所が指定した医師が、診察や検査によってご本人の判断能力の鑑定を行い、鑑定書を作成します。なお、裁判所が鑑定人を指定しますが、鑑定人については申立人側から推薦することができます。
- 11審理
- 裁判所は申立書などの提出書類・鑑定結果・ご本人調査の結果などを検討し、審理します。
- 12審判書謄本の送付
- 内容を申立人と後見人等へ送付します。
- 13審判の確定
- 申立人と後見人が審判書の謄本を受け取ってから2週間で審判が確定します。
- 14登記事項証明書の取得
- 確定後、家庭裁判所は東京法務局に後見登記を依頼します。しばらくしてから法務局で後見登記事項証明書の発行を受けることができます。
- 15後見事務の開始
- 後見人等は審判確定後原則1か月以内にご本人の財産目録・収支目録・今後の事務報告書を裁判所へ提出します。
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